サラリーマンの副業は今後も半数は認められない
2日ほど前、次のような記事を書きました。
タイムリーな話ですが、ちょうど日本商工会議所が7月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を出しています。
そこに、正社員の副業・兼業についての調査結果が掲載されていました。
73%は現状副業を認めていません。
また現在副業を認めていない企業のうち、
56.6%は副業を認める検討をする予定はない
という調査結果です。
ちなみに今回は商工会議所のアンケートですが、アンケートに参加している企業は商工会議所に参加して、色々な取り組みも検討されている企業が多く、真剣に検討された企業が含まれる割合も多くなるのではと推測します。
そこから推測されることとして、実態としてアンケートに回答していない、また商工会議所に積極的な参加をしていない企業を合わせると、真剣に検討せず「副業は認めない」とする企業の割合が増え、6割は超えるのではないかと考えます。
では、企業が副業を認めない理由と副業受け入れ環境についてみてみます。
企業が副業を認めない理由
調査結果から、副業・兼業を認めていない理由のトップ3は以下の通りでした。
- 社員の長時間労働・過重労働につながりかねないため
- 社員の総労働時間の把握・管理が困難なため
- 副業・兼業先で労働災害が起きた際に本業への支障が生じる恐れがあるため
過重労働や総労働時間管理や、労働災害が課題だと考えているようです。
ちなみにこれは中小企業全体の回答の統計としては注意が必要です。
なぜなら、業種が偏っているからです。
商工会議所は、「製造業」「建設業」「卸売・小売業」といった業種の企業が多く参加されています。
業種均等でアンケートを取れば、競合への情報漏洩といった別のリスクが導入課題であるということもあるでしょう。 確かに、業種から見て肉体労働も多く労働災害に繋がりそうであるから企業側の理由として理解できます。
特定業種に偏っているとはいえ、現行法の下では総労働時間で残業代支給をする必要もあり、労働時間が多くなることによる労働災害はどの業種でも懸念されることです。
※厚生省が「複数職場の労働時間は通算する」としてきた労働基準法の規定を削除する案を出していますから、今後変わっていく可能性はあります。
あとは現在働き方改革中といった企業もいるでしょう。
実際、政府は働き方改革を推進してきましたが、まだまだ改革中の企業もあることでしょう。
そんな中で、更に副業も検討となると企業にとって重荷になるのは分かります。
6割近くが他社の副業社員の受け入れはしていない
調査結果を引用すると以下の通りです。
- すでに受け入れている 9.0%
- 受け入れていないが、現在検討している 7.0%
- 受け入れていないが、将来的には検討したい 24.7%
- 受け入れておらず、今のところ検討する予定はない 59.3%
そもそも副業社員の受け入れ環境が整っていないというのが現状です。
受け入れされる環境が無いことには、サラリーマンが副業をしようと思っても仕事がなく副業も広がらないだけです。
人手不足が深刻であったり、外部の人材による刺激を求めている企業は受け入れを始めているでしょうが、まだまだ少数です。
まとめ
サラリーマンの副業が企業側に認めれて実行できる環境がまだまだ厳しいということが分かりました。 特に、半数の企業は副業を認める予定がないのでどうしてもやりたい人は黙ってやるしか無いという現実です。
特に、今回の調査結果では業種から見て企業側の理由ももっともな話です。
当たり前の話ですが、本業に差し支えの無い副業の労働時間管理が必要となります。
引用した調査結果
https://cci-lobo.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2019/07/LOBO201907.pdf