サラリーマン副業スタートマニュアル(売上・確定申告・社会保険編)
サラリーマンの副業スタートマニュアル売上経費・確定申告編です。
副業を始めるための全体像の把握はこちらの記事から
副業をスタートするにあたって、確定申告をはじめとして以下のことが気になる方は多いのではないでしょうか。
- 副業で儲けた分にかかる税金
- 会社に黙っておきたい
- 個人事業主か法人化か
- 確定申告に必要な会計は
- 事務作業を自動化したい
これらの中にいくつも注意点があります。
把握して副業を始めないとと「まさかこんな落とし穴が」ということになりかねません。
例えば、以下のようなことです。
持ち家の一部を経費に算入にはデメリットも
開業の仕方で失業保険がもらえない
法人化すると会社にバレる
それぞれどうすべきかははっきりしていますので、重要事項を見ていきましょう。
副業における確定申告の方法は2種類
簡単にメリットデメリットを整理すると、以下のようになるでしょう。
白色申告
メリット :開業届が不要
デメリット :所得控除の額が少ない(10万円)青色申告
メリット :所得控除の額が多い(65万円)
デメリット :開業届がを出す必要がある
よく見るメリットデメリットですよね。
これだと青色申告一択・・・・ってなるわけですが、人によっては結構大きなデメリットがあります。
それは、開業届を出すと失業保険がもらえなくなるということです。
何故か?
当然と言えば当然なのですが、失業保険を出す側の理屈としては「自ら事業をしており、本業を失業したところで別の事業があるから失業じゃないですよね」となります。
確かに失業保険は他に収入を得る手段を持たない人のためにあるため、開業している人は対象外となるのです。
よって、まだ副業を始めたばかりで軌道に乗っていない場合や、勤め先に倒産の危険性なんかがある場合は副業のために開業届を出すのは慎重になるべきです。
経費計上
余計に税金を払わないようにするため、経費計上は必須です。
例えば、事業としてWebデザイナーを始める場合にパソコンやソフトウェアは経費として計上可能です。 また、自宅の一部を作業場としている場合は家にかかる経費の一部を経費として計上できます。
(経費計上可能な一覧) - ソフトウェア - 家賃 - 水道光熱費 - 広告宣伝費 - 手数料 - 旅費交通費 - 新聞図書費 - 通信費 - 接待交際費 - 外注費用 - 税金 - 給与 - 会費 - 消耗品 - 減価償却費(パソコンや車)
持ち家で住宅ローン控除利用者の注意点
すでに家を住宅ローンで購入しており、住宅ローン控除を受けている人は注意が必要です。
自宅の一部を事業に使っているとして、経費に組み込む場合はその割合分を住宅ローン控除の申請時に割り引いて申請する必要があります。
例えば、3,000万円の住宅ローンが残っていて30万円返ってくる予定だとしましょう。 このうち、20%を事業用に使っているとすると、20%減って24万円になります。
接待交際費の注意点
接待交際費も経費に組み込むことが可能ですが、私的な使用は当然認められません。
指摘を受けても説明できるよう日時、誰と飲食をしたか、場所をしっかり記録しておくようにしましょう。
売上や経費の管理方法
売上や経費は申告の際に必要になりますから管理が必要です。
しかしあまり手間をかけたくないですから楽をしましょう。
- 専用口座を作るとお金の出入り把握が楽
- 専用カードを作ると支出管理が楽
- 会計システムへの自動データ取り込みで入力が楽
副業専用の口座
使っていない口座があればそちらを、なければ新規で開設して副業専用の口座にしましょう。
お金の出入りを一括で管理することにより、生活費と一緒になったりして申告の際に計算が合わないといったことを避けやすくなります。
一部を自分の給与として取得していく場合は、振込手数料が安い銀行がお得でしょう。
注意点としては、個人事業主あるいは法人として開業すればその屋号や法人名で口座を開くことができます。
しかし、開業届も出さず法人化もしていない場合は別名で口座開設はできないので注意してください。
副業専用カードを作る
経理を楽にするのは現金を使わないことです。
副業専用の口座を持ち、そこに紐づくカードを作ればカード支出の管理も簡単です。
全ての支払いをカードからすることで現金の計算をゼロに近づけましょう。
クラウド会計システムの利用
クラウド会計システムの利用がおすすめです。
オンラインバンキングやクレジットカードと連携することで各サービスの利用履歴(明細)を自動で会計システムに取り込むことができます。
あとは取り込んだ明細を処理していくだけで打ち込む手間も最少で済みます。
クラウドで請求書発行
クライアント次第ですが、可能であればクラウドの請求書発行システムを使ってメールで請求書発行をしましょう。
わざわざExcelの請求書テンプレートをダウンロードしてきて作る必要もなく、必要事項を入力すれば簡単に請求書が作れます。
プラン次第では、継続的な自動請求も可能なので、継続的に仕事をする人の場合は最初から使っている方が楽になります。
副業におすすめのクラウドシステム
副業におすすめなクラウド会計システムは
それぞれの共通点として
- スモールスタートなら料金はほぼ一緒(freeeの方が若干安い)
- 自動で会計取り込み
- 周辺に請求書や経費システムがある
次に大きく違いがあるところを見ていきましょう。
freeeの特徴
- 開業届や法人設立、個人事業主・法人向けカードなど周辺サービスが充実
- 自動仕訳が可能(MFクラウド会計は取り込みまで)
- 経理が不慣れな人でも大丈夫
MFクラウド会計の特徴
- 一括仕訳登録機能がある(freeeにはなし)
- アカウント増設が無限
- 経理がわかる人向け
feeeは極力自動化したくて、今後アカウント利用者が沢山増えない場合や周辺サービスが魅力的な場合はfreeeがおすすめです。
MFクラウド会計は利用者が多く増えそうだったり、経理に詳しいならMFクラウド会計がおすすめです。
副業開始時点の選択(そのまま or 個人事業主 or 法人化)
すぐに青色申告の所得控除を利用してメリットがあるくらい稼げたり、失業が怖い場合はそのまま始めるのがベターでしょう。
書店に行くとやたらと個人事業主や法人化をすすめているように見えますが、失業保険が受けられないようになります。
法人の場合は年間に法人としての維持費用もかかりますから、月刊数万位の稼ぎで始める場合はわざわざ個人事業主として開業届を出したり、法人化するメリットが少ないのです。
もし、法人化したかったり法人化が必須であれば上記のデメリットと下記の社会保険に注意しましょう。
社会保険から副業がバレる
社会保険から副業がバレるってどういうことでしょうか。
- 雇用(アルバイトや社員)されて副業をすることで社会保険に二重加入
- 法人化することで社会保険加入が必須となり、社会保険に二重加入
要は二重に加入することでばれます。
さらに言うと、「二以上事業所勤務被保険者決定及び標準報酬決定通知書」が勤務先に届いてバレます。
対策は
- 雇用されても社会保険に加入しない(加入しないといけないところで働かない)
- 役員を家族にする
- 当面役員報酬を無報酬にする
まとめ
- 副業は失業保険の重要性で白色か青色申告を選択
- 経費に組み込む場合も注意点がある
- クラウド会計システムを徹底活用して効率化
- 会社にバレないようにするには社会保険の二重加入を防ぐ